小さな粒をどう調べる?
夏といえば花火ですが、素粒子の反応も一瞬の花火のようなものです。
素粒子の研究には今や「加速器」が不可欠です。現代の加速器は粒子をほぼ光速に加速する装置です。光速の粒子が衝突するとなにが起こるでしょうか?野球ボールと野球ボールをぶつけたら跳ね返るようなイメージを持つかもしれません。野球ボール同士をぶつけてもバスケットボールにはならないでしょう。しかし、加速器ではそれが起こります。衝突した粒と粒は一旦高エネルギーの塊になり、そこから別の粒子が飛び出します。このとき、どのくらいのエネルギーの粒子をぶつけるかで、出てくる粒子は異なります。見たい粒子がどれくらいの確率で飛び出すかは、ファインマンダイアグラムを使って計算することができます。
当然、ぶつける粒子も飛び出してきた粒子も、目に見えません。目に見えないほど小さい粒子をぶつけるのも、出てきた粒子を正確に捉えるのも、先端技術の粋を集めてこそ実現するものなのです。その精密さには驚かされるばかりです。
飛び出してきた粒子は、円筒形の測定器観測し、その様子をコンピュータで再現します。その結果がこの花火のような図なのです。
図提供:https://www-jlc.kek.jp/~miyamoto/evdisp/html/index.html